フードの選び方
市販されているキャットフードは、「総合栄養食」と「一般食」に分けられています。
総合栄養食は、猫に必要な全ての栄養素がバランス良く含まれているフードです。
主食は総合栄養食を選択し、バランスの良い食事を提供することが重要です。
食事にこだわりを持つねこは多いです。
栄養バランスはもちろんですが、欲しがるものを与えることも、ねこのQOLには大切です。
プレミアムフードとは
「ミャオ!ねこのおうち」では、主食はプレミアムフードの使用を推奨しております。
プレミアムフードは、より高品質な原材料を使用し、適切な栄養バランスを考えて作られた、猫の健康に配慮した製品です。
療法食を作っているメーカーが出しているものも多く、高品質な原材料を使用したり、研究開発費用がかかっているため比較的高価なものが多いですが、現在はリーズナブルで多種多様なものが出ています。
一方、ドラッグストアなどで手に入りやすいものの中には、着色料や添加物を多く使用しているものがあります。
嗜好性が高く与えるとねこは喜ぶ、いわゆるジャンクフードのような位置付けです。
ドライフードとウェットフード
ドライフードとウェットフードは、どちらも食べられるようになっておくのが理想的です。
災害時などにはいつも与えているフードが手に入らないこともあるため、色々と食べられるようになっておきたいものです。
また、水分をたくさん摂ることはねこの健康に欠かせませんが、ねこの祖先は砂漠で暮らしていたため、基本的に飲水量が少ない生き物です。
ウェットフードも与えることで、水分摂取量を増やすことができます。
子猫のうちに、どちらも食べられるようになっておくといいでしょう。
ドライフードの特性
ウェットフードに比べて歯石がつきにくい。
傷みにくい。
ウェットフードの特性
水分含有量が高い。
タンパク質の含有量が高く、ねこの自然の食事に近い。
匂いが強く、一般的にねこに好まれる。
食事の回数
本来ねこは小分けで食べる傾向があります。
1日に2から5回程度に分けて与えるといいでしょう。
こまめに与えるのが難しい場合は自動給餌器などを活用することもできます。
ケージは慣れるまでの安心スペース
ねこは狭い場所にいると安心します。
初めての場所ではまず隠れようとするため、安全な隠れ場所を用意してあげることが大切です。
「ミャオ!ねこのおうち」ではお迎えの際にケージのご用意を推奨しております。
まずはケージの中は安全な場所だと認識してもらい、ケージの中に慣れたら、そこから行動範囲を少しずつ広げていくのがスムーズです。
ケージでの飼育
安全な隠れ場所が無いと、家電製品の裏やソファーやベッドなどの家具の下などに逃げ隠れてしまい、そこから出そうとすると怖がらせてしまうことになります。恐怖のあまり人を攻撃したり、パニックになり脱走する危険もあります。
また、トイレもケージ内ならすぐに認識するので場所を探して失敗することがありません。
慣れてからもあると便利!
ご自宅に慣れたあとも、普段から扉を開けておいて好きな時に出入りできるようにしておくと、とても便利です。
人の出入りでドアを開けっぱなしにする時や、ベランダの出入りの際
調理中、アイロン中など、一時的に安全を確保したいとき
災害時の避難場所として
ケージの大きさや配置
広さよりも高さのあるものがねこに適しています。
トイレと食事の場所を離すために2段以上のケージで、トイレが入る大きさのものをご用意ください。
あまりコンパクトなケージにすると、子猫の場合は元気すぎてケージ内で暴れて水をこぼしたり砂を散らかします。
1.5ヶ月齢くらいまでの小さい子猫は、3段など高さのありすぎるものはケージ内で落下して怪我をする危険もあります。
設置場所とケージ内の配置
設置場所は、人の気配はあるけれど騒がしすぎない場所がおすすめです。
慣れるまでは構いすぎず、静かに見守ってあげてください。
直射日光やエアコンの位置などに気をつけて、適切な室温が保てる場所に設置してください。
1段目:トイレと隠れ場所の箱、爪研ぎ
2段目:水入れ、ご飯の場所
2段目の横:ハンモック
子猫の場合は補助ステップなど
ケージでの慣らし方
最初はケージの中に、更に箱などの隠れ家を入れてあげるか、ケージ全体にシーツなどをかけると身を隠せるので安心します。
ご飯を食べて排泄をするまでは、なるべくそっとしておいて、ケージ内から人の生活を観察してもらい、敵ではない、怖い場所ではないと認識してもらいます。
慣れてきたらハンモックなどでリラックスできるようになってきます。
ケージ内に慣れてきたら、おやつやおもちゃでコミュニケーションをとってみましょう。
怖くなったらすぐにケージに戻れるように扉を開けたままケージから出してみて、徐々にケージの外での時間を増やしていきます。
慣れるペースはねこそれぞれです。焦らず、ねこのペースで慣れるのを見守ってあげてください。
保護ねこを迎える選択をして頂きありがとうござます!
ねことの暮らしがより良いものになる様、お迎えまでの準備をご案内いたします。
ご不明なことは、どんな些細なことでも遠慮なく保護主にお尋ねください。
また譲渡会場では、お迎えの際にご準備いただきたいことや脱走防止の事例などをまとめた冊子をお渡ししております。
PDFでもご覧になれますので、お目通しください。
1.脱走防止対策
私達ボランティアは、外で産まれたねこ達や人に見捨てられたねこ達に、生涯安全な場所(室内)で里親様と一緒に幸せになってほしいと思う願いから活動しております。
外の世界は、ねこにとって 交通事故や感染症、虐待、暑さ寒さなど非常に過酷です。
家の中で暮らしていた猫が、縄張りのない場所で生きていくことはほぼ出来ません。
ベランダであっても絶対に外に出さないようにお願い致します。
ハーネスをつけての散歩も禁止です。
普段穏やかなねこもパニックになると手に負えなくなります。
「うちの子は大丈夫」という事ではなく、突発的な行動に出ても「うちは脱走防止対策をしているから大丈夫」という環境を作ってあげてください。
お迎えするねこの性格にあった対策を保護主にご相談ください!
猫 脱走防止
脱走の事例
宅配便の受け渡しやの人の出入りなど、玄関を開けたら飛び出してしまった。
網戸を開けて、破いて、よじ登って外して飛び出してしまった。
通院時、キャリーを少し開けて様子をみたら脱走。
実家などの預け先で脱走。
小さいお子さん、高齢のご家族がいる場合は特にしっかり対策を!
1-1.玄関の対策
玄関までに扉がない場合は、脱走防止扉をつけましょう。
ねこが飛び越えない高さのもの(150cm以上推奨)、爪を引っ掛けて登れないものでないと、せっかくつけても無意味です。
人が跨げるくらいの低い柵は、扉に密着させて設置すると急な飛び出し防止になります。2重の対策としてお考えください。
1-2.窓の対策
網戸を開ける、破く、登って外すなどなど、窓からの脱走事例は大変多いです。
これまで大丈夫だったからと油断した頃に脱走することもあります。
窓を開ける機会がある場合は、ワイヤーフェンスを嵌め込むなど、必ず対策を行なってください。
洗濯物を干すなどでベランダに出る際には、ねこには別の部屋にいてもらう、ケージに入ってもらうなどすると脱走を防げます。
1-3.外出時の対策
洗濯ネットにねこを入れてからキャリーへイン。またはキャリーごとネットに入れるなど、2重3重対策でお出かけください。
ファスナータイプのキャリーは中からこじ開ける、ハードタイプはぶつかった衝撃で扉が開いてしまうなどの事例があります。
2.ケージや日用品の準備
お迎えまでに最低限必要なもの
ケージ(隠れ場所)
ベッド(寝場所)
キャリーケース(+洗濯ネット)
トイレと猫砂
フード
食器と水入れ
爪研ぎ
おもちゃ
生活する上で必要になってくるもの
ケア用品(爪切り、ブラシなど)
キャットタワーなど上下運動ができる場所
2-1.ケージは必要?
猫は新しい環境ではまず隠れようとするので、必ず安全な隠れ場所を用意してください。
慣れるまでねこが安心できる場所として、最初はケージがあるとお迎えがスムーズです。
トイレもケージ内から始めればすぐに覚えます。
トイレと食事が別の段でできるように、2段以上のものをご用意ください。
ご自宅に馴れた後も、災害時や業者の出入り時に入ってもらいたい時など、普段からケージに慣れているととても便利です。
ねこの性格によってケージの代わりお部屋からスタートも可能な場合もあります。保護主とご相談ください。
2-2.おすすめのキャリーケース
安全のためにハードタイプかセミハードタイプのものを。猫の頭数分必要になります。
上と正面の2面が開くハードタイプのものがおすすめです。
外出時には上からカバーをしてあげるとねこが安心します。
2-3.トイレと猫砂
粗相や泌尿器系病気を予防するためにも、常に清潔で、落ち着いてできることが大事です。
掃除の頻度にもよりますが、トイレはねこの頭数+ひとつあるのが理想です。
小さすぎるものは粗相の原因になります。ねこの体長にあわせたサイズのものをご用意ください。
粗相はトイレや砂の種類、トイレの場所を変えることによって解決することも多いです。
砂は、ねこに人気なのはいわゆる鉱物系ですが、それまでそのねこが使っていたのと同じ種類の砂から始めるとスムーズです。
保護主にお尋ねください。
2-4.フードの選び方とお水
主食は栄養バランスの取れた総合栄養食を与えてください。
ドライフードを主食とし、ウェットフードを副食やおやつ感覚で与えることをお勧めします。
ドライフードは、プレミアムフードと呼ばれるものの中からお選びください。
ドラッグストアなどで売っている安価なものやカラフルなものは、嗜好性が高くねこは好みますが、いわゆるジャンクフードのようなものとお考えください。
フードは、まずはこれまで与えていたものを同じものから始めるのが理想です。
保護主に種類や量、回数などお尋ねください。
とはいえお迎え直後は、緊張のあまりごはんを食べないことも多くあります。
その様な時は、保護主に相談しつつ、おやつや嗜好性の高いフードを試しに与えてみるとよいでしょう。
水入れは、ごはんの場所のそばだけでなく、ねこの行動範囲に複数設置しましょう。
しっかり水を飲むことは病気予防になります。
流れる水が好きな子には循環型の水入れがおすすめ。
雑菌の繁殖を防ぐため、容器はこまめに洗いましょう。
2-5. 爪研ぎとおもちゃ
ねこがねこらしく生活するために必須です。
家具などへの爪研ぎ防止にも、爪研ぎは複数用意してお気に入りを見つけましょう。
おもちゃでしっかり遊ぶことは問題行動の防止にもなります。
ねことのコミュニケーション、運動やストレス解消の為にも、たくさん遊んであげてください!
ただし、おもちゃの誤飲事故も非常に多いです。
次項「室内での事故防止対策」のご確認を!
3. 室内での事故防止対策
お迎え前には、ねこが安全に暮らせるように室内の環境を整えましょう。
誤飲誤食
感電
落下(吹き抜けの手すりや水を張ったバスタブなど)
キッチンでの火傷
などの事例が報告されます。
危険だからと留守番中はケージに入れるのではなく、目を離しても安全な環境をご用意ください。
人間の食べ物(袋に入っていても奪われます)
ビニール、ひも類、輪ゴム、ヘアゴム、ジョイントマット
ねこ用のおもちゃ(特に獣毛性のもの・紐付きのもの)
糸(舐めるとザラザラした舌に絡まり、出すことができずに飲み込んでしまう)
塩素(ねこの好むにおい)
- 誤飲、誤食の危険のあるものはねこが開けられない場所に収納。
- コードやケーブル類は、カバーをつける、壁に固定するなどしてじゃれ付き防止。
- 子猫のうちは入れない部屋を作るなど、行動範囲を制限するのも重要。
ねこは好奇心の塊です。子猫を迎える場合は特にしっかり対策を!
中毒の危険がある植物など
人には安全でも、ねこにとって危険な植物や食べ物は沢山あります。
お迎えするまでに室内に危険な植物が無いかご確認ください。
アロマや煙草は、ねこの入らない場所でお楽しみください。
すぐには中毒症状を起こさなくても、長年取り込むことで内臓に負担をかける危険があります。